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🧠 本番モデル解説

ensemble_core¥20M・信用2.0倍場中フラット 個別株のみ一日信用

1. 何が動いているか(一言で)

夜間に個別要因で飛んだ寄付きギャップは日中に戻りやすい」という平均回帰アノマリーを、 毎朝寄付きでロング/ショート同額建て(ドルニュートラル)、大引けで全部手仕舞う戦略です。 オーバーナイト保有ゼロ・個別株のみ・単元(100株)の整数ロット。 2つの独立なシグナル(機械学習+ルール)に資本を50/50で分けたアンサンブル ensemble_core が本番モデルです。

2. アーキテクチャ全体図

┌─ データ(J-Quants Premium・毎朝更新)──────────────────────────┐
│ 日足OHLCV(2018+) / 33業種指数 / 先物ナイト / 銘柄マスタ(貸借区分) │
└──────────────┬────────────────────────────────────┘
               ▼ 特徴量パネル(全てPIT: 寄付き時点で既知の情報のみ・当日終値/出来高は不使用)
┌─ スリーブ1: ml_mag_adaptive(資本50%)─────┐ ┌─ スリーブ2: svdn_concentrated(資本50%)──┐
│ ridge回帰・9特徴量(下表)               │ │ ルール系: 33業種内の相対ギャップを      │
│ 目的変数: 当日寄→引リターンの日次平均差  │ │ 銘柄ボラで基準化した逆張りスコア        │
│ 学習: 過去年→翌年を予測(年次WF・リーク  │ │ (セクター要因×ボラ二重中立・集中版)   │
│ なしはテストで機械的に保証)             │ │ 学習パラメータなし=過学習リスク小      │
│ ウェイト: |予測|比例(上限3×等金額)     │ │ 相関 0.31 = 分散効果でDD半減           │
└──────────────┬─────────────┘ └──────────────┬────────────┘
               ▼ 銘柄選定: 各スリーブ スコア上位8銘柄ロング・下位8銘柄ショート(統合後 実質13〜16/側)
               ▼ 制約: ショートは貸借銘柄のみ・**増担保/日証金規制銘柄は除外**・
                 全銘柄で前日売買代金≥¥10億・価格規制トリガー銘柄は50単元まで
               ▼ サイズ: グロス目標 = 保証金¥20M × 信用倍率2.0 = ¥40M(拘束保証金=ストップ高×30%で日次縮小)
┌─ 執行(Windows VPS・kabuステーションAPI)────────────────────────┐
│ 08:48 プラン確定(08:50までの板気配で最終スコア)→ 寄成(SOR)で新規建て   │
│ 14:55 引成で全量返済 → 15:30 結果をこの管理画面へ自動報告               │
└────────────────────────────────────────────────┘

3. スリーブ1: ml_mag_adaptive(機械学習)

モデルはridge回帰(線形・L2正則化)。派手さはないですが、GBM・交互作用等の複雑化は 検証で全て棄却済みで、この規模のデータでは線形が最強でした。モデルファイルは ridge_2026.json(2018〜2025年末で学習・2026年中は固定・再学習は年1回で十分と検証済み)。

特徴量意味(全て寄付き時点で既知)
residual_gap寄付きギャップの市場平均差(=個別要因分。主役)
gap_absギャップの絶対値(非線形の大きさ効果)
prev_intraday前日の寄→引リターン(前日の日中モメンタム)
prev_resid_gap前日の残差ギャップ(連日ギャップの文脈)
ivolラグ付き20日ボラ(当日終値を含むvol20は使用禁止=リーク)
liq_rank流動性ランク
amihud20Amihud非流動性(出来高由来・前日まで)
idio_gap2ギャップの33業種指数ギャップ差(=真の個別分を精緻化)
sector_index_gap33業種指数自体の寄付きギャップ

目的変数はその日のクロスセクション平均を引いた寄→引リターン(demeaned)。 「市場が上がるか」ではなく「どの銘柄が相対的に戻るか」だけを学習します。 ウェイトは予測の強さに比例(|予測|比例・1銘柄上限3×等金額)— 自信のある日に厚く張る設計で、 等ウェイト比 +1.3〜2.3 Sharpe の寄与が検証済みです。

4. スリーブ2: svdn_concentrated(ルール)

業種全体の動き(継続しやすい)を除いた業種内の相対ギャップを、銘柄ボラで割って 基準化した逆張りスコア。シグナル上位だけに絞った集中版です。学習パラメータを持たないため 過学習リスクが小さく、ML系と相関0.31しかないのがアンサンブルの肝 (OOSでSharpe押し上げ+最大DDをほぼ半減)。

5. 成績(OOSのみ表示)

OOS絶対規律: このページの数値は全て、モデル・構成の選択に使っていない期間 (Out-of-Sample)のシミュレーションです。選択に使った期間(In-Sample)の成績は原則として 楽観的に歪むため、表示も判断利用も禁止しています。

現行のユニバース: 前日売買代金≥¥10億・規制銘柄はショート除外(2026-07-30より)。

OOS 2024-01〜(¥20M・8銘柄/側・信用2.0倍)年率Sharpe最大DD
コスト前提 7bps/side(保守・現行の正本)+79%2.98−18.7%
コスト実測ベース 2bps/side(下記参照)+127%4.59−15.1%

コスト前提の訂正(2026-07-30): 寄成・引成は板寄せ=単一約定価格なので スプレッドは原理的にゼロ、一日信用で手数料・金利もゼロ。残るのは自分の注文が約定価格を動かす分 (インパクト)だけで、参加率の実測(寄り1.0-1.3%・引け0.44%)から 寄り1.5bps/side・引け0.5bps/sideと推定された。従来の7bps/sideは3.5〜7倍の過大。 ただし正本の差し替えはライブ実測40営業日の合格後とし、表では両方を併記している。

6. αの正体と、最大の未解決リスク

αは「情報」ではなく「板寄せクロスの流動性供給プレミアム」と判明しました(1分足の実測)。 夜間の需給インバランスを単一約定価格で吸収する対価であり、クロスの中でしか受け取れません:

エントリー時刻引けまでのリターン残存率
09:00 板寄せ21.4bps100%
09:01(ザラ場)6.7bps31%(60秒で69%消失)
09:053.4bps16%
10:00以降1.2bps6%(横這い)
⚠️ 最大の未解決リスク: 特別気配
本戦略は 08:50 頃の気配でギャップを推定して銘柄を選ぶが、 選定銘柄の41.7%は09:00に約定しない(ショートは58%)。しかも αの54.4%は「09:00約定率わずか4.1%」の超大ギャップ銘柄(|ギャップ|中央9.0%)が生む。 特別気配は更新値幅(¥2,000-3,000帯で¥50=205bps)に縛られた段階的な表示値なので、 08:50時点の気配は真の寄値から大きく乖離しうる(機構的下限でα加重1,060bps)。
ただし歪みの「質」で結果が変わる: 一様圧縮なら補正可能(情報は失われない)、 上限クリップでもSharpeは下げ止まる。致命的なのはランダム誤差のみ
実弾GO/NO-GOの基準は2026-07-31に事前登録済み(実測を見る前に確定させ、後出しで 緩める余地を潰した)。既知の歪みを本番と同じ経路に注入して作った対応表:
歪み建玉一致率Sharpe維持率
なし(基準)100%3.04100%
一様圧縮 λ=0.5 / 0.3100%3.04100%
±3%クリップ78.6%2.4581%
ランダム σ=100bps53.7%2.2173%
ランダム σ=250bps36.6%1.4046%
ランダム σ=500bps30.2%0.8327%
建玉一致率 ≥75%→実弾GO / 50-75%→¥5Mに減額して開始 / <50%→NO-GO。 一様圧縮は成績が基準と完全一致=λがいくら小さくても無害なのでλ単独では判断しない。 順位相関も使わない(クリップは順位相関1.000でも一致率78.6%)。
なお「特別気配銘柄を避ける」は不可(Sharpe 2.72→1.94、かつドルニュートラルが崩れる)。 「前場に一度も寄らない」のは建玉の1.16%だけなので、寄成が失効するリスクは実質ゼロ

7. リスク管理・停止基準(過去2,067日の実分布から逆算)

トリガー水準(¥20M基準)アクション
単日損失〜−120万円停止しない(過去最悪−115万円=経験内)
連敗3連敗コスト実測の点検のみ(ほぼ毎月起きる正常事象)
連敗6連敗 / 8連敗サイズ半減 / 停止・点検
週次損失−100万 / −160万 / −240万注意 / 半減 / 停止
累積DD−300万(−15%) / −400万(−20%)半減 / 停止・全面見直し

8. 検証の履歴(なぜこの構成を信じるか)

正本ドキュメント: リポジトリの AGENTS.md(確定知見・棄却リスト)と trading/jp_intraday/live/README.md(運用手順・停止基準)。本ページは 2026-07-31 時点の要約。